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花咲小路四丁目の聖人

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商店街のご隠居は、元・泥棒紳士!?

舞台は、シャッター通りとまではいかないもののさびれつつある商店街「花咲小路商店街」。主人公の亜弥は、両親が始めた小ぢんまりした英語塾を継いで講師をしている。隠居している父は、日本に帰化したイギリス人なのだが、その実、若い頃は美術品を中心とする伝説の大泥棒として名を馳せていた人物。商店街で起こる事件をその手腕で解決していくのだが、亜弥は気が気ではなくて――。


小路幸也さんの本です。
 
ユーザーレビューで物凄く酷評されていてびっくりしたのですが、個人的にはそれなりに楽しめました。
小路さんの文章は、作品によって若干癖があると思うのですが、そういった意味で、軽いタッチの一人称で紡がれる本作は、読みやすさが凄くあったなあと。
私は全然アリなんですけど、好みの問題でしょうか?
 
小路さんの描く女性、可愛らしくて好きなんです。
25歳の主人公の父親は、イギリスで伝説の大泥棒として世間を騒がせていた人物。
そんな父親が、商店街で起こる事件を鮮やかに解決していきます。
 
何が良いかって、泥棒なのに決して悪人ではないということ。
誰かを助けるために、泥棒をする。
決して証拠を残さず、鮮やかに問題が解決していく様はいっそ痛快で、商店街を巡る問題の解決からその後の結果に至るまで、何だか嬉しくなってしまうほどでした。
 
気軽に読めて、しかも元気をもらえる作品だと思いますよ!