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泣いたらアカンで通天閣

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「おとうちゃん、たっぷり愛してくれて おおきに、ありがとう。」

どん詰まり下町商店街に息づく、とびっきりの人情と懐かしい家族の物語
シャッターが目立つちょっと寂しげな北詰通商店街に店を構える「ラーメン味(み)よし」。
「味よし」とは名ばかりで、店主のゲンコが作るラーメンはえらく不味く、赤字続き。
ゲンコはしっかり者の一人娘・センコの目を盗んでは、店をほったらかしてふらふら遊びに行ってしまう。
センコは帳簿とにらめっこしては頭を抱える日々。さらに自身の厄介な恋愛問題にもモヤモヤしながら毎日を過ごしていた。
そんなある日、東京で就職した幼馴染のカメヤが突然帰ってきた。だがコソコソしていてどこか様子がおかしい。
さらにどういうわけかゲンコが、街の問題児・スルメを家で預かると言い出し、そんな余裕はないと激怒するセンコだったが……。
くせ者揃いの家族とお節介なご近所さんに囲まれて、センコは自分を育む「街の息遣い」をいとおしく思い、かけがえのないものに気が付いていくのだった――。


坂井希久子さんの本です。
 
良かった!!
なんか、とっても元気をもらった気分です。
 
書店で何か面白そうな本はないものかと物色していたところ、何だか凄いインパクトのある本だなあと思って気になっていた本作。
図書館で借りて読んでみました。
 
冒頭の千子(ちねと読むのに、親も含めてセンコと呼ばれている)の父親の作文から始まり、強烈な個性を放つ主人公の父親以下、ご近所の濃ゆい面々。
 
実は結構切ない話も多々盛り込まれているのですが、バリバリの大阪弁、大阪ならではのゴテゴテ感(良い意味で)がこれでもかと続き、テンポの良い会話には泣く時間すら与えません。
むしろ、こんな小さな事で悩んでるのなんて、アホらし!と思うくらい、いつの間にか、悲しみが笑いに変わっているのです。
 
主人公センコの、外見は綺麗な子なのにこってこての大阪弁で親父をこきおろす様は申し訳ないけど笑ってしまうし、小学生並みの精神を持った父親のゲンコの頼りなさと、とてつもない優しさが染みます。
 
そして何より、センコを受け入れるカメヤね。
ちょっとインテリ系と見せかけて、どんどんゲンコに影響を受けて崩れていくのも良かったし、ラストにかけての格好良さと言ったら!完全にカメヤに惚れてました(笑)
 
ここ最近苛々したり落ち込みがちだったので、とても元気をもらうことができました。
絶対読んで欲しい!
オススメです。
 
(5点)