早坂家の三姉妹、それぞれが感じている、家族の姿。ちゃぶ台を囲みながらそれぞれの思いが一つになったとき、本当の家族の姿が見えてくる。考えたり悩んだり、苦しかったりするけれど、それぞれが補いながら暮らしている。「東京バンドワゴン」シリーズを始め、様々な家族を描いてきた著者が三姉妹を通し描く、新しい家族のカタチ。
小路幸也さんの本です。
あー小路さんの本は、とても疲弊している時や心がギスギスしている時や、余裕がない時に読むととても染みます。
どの主人公も文体が書き分けられていないというか、同じなんだけど(笑)、それが逆に小路さんらしくて好き。
特に小路さんは、家族との繋がりを書いたら天下一品。
今回は、ちょっと複雑な家庭環境にある三姉妹の物語。
母親と幼い頃に死別し、男手一つで姉妹を育ててきた父親が再婚し、歳の離れた弟が出来た。
新婚旅行へと父親と義母を送り出し、その弟を一週間三姉妹の家で預かる事になったが、そこに突然現れた伯父。
どうやら、伯父と父親の間には何か確執や事情があるらしく――
新婚旅行へと父親と義母を送り出し、その弟を一週間三姉妹の家で預かる事になったが、そこに突然現れた伯父。
どうやら、伯父と父親の間には何か確執や事情があるらしく――
複雑な過去が、少しずつ少しずつはっきりしていくのだけど、「事実はこうだった!」と思ったら、更に裏返って、裏返るので、若干混乱しちゃいました。
これはそんなに裏返さなくても良かったのかも、とは思いましたが・・・
これはそんなに裏返さなくても良かったのかも、とは思いましたが・・・
三姉妹それぞれに彼氏がいて、その相手もとても出来た男達なんですね。
まあエピローグで三姉妹と彼氏のその後も描かれる訳だけど、義母との色々はなくても良かったのでは・・・(あえて最後までハッピーエンドを貫いてほしかったかも)。
とはいえ、三姉妹ってなんかとても憧れます!
長女が26歳になろうとする25歳なんですが、小路さんの描く25歳像は私と比べるととてもしっかりしていて、大人みたいに描かれてます。
他愛もないことを夜遅くまで話して盛り上がったり、家事を分担したり、結婚や将来の事を相談したり・・・いいなあって思いました。
母親がいなかったとしても、三姉妹だったら寂しくないんじゃないかな、なんて。
かりん、あんず、なつめっていう名前もとても可愛いし、弟が「陽ちゃん」ってまた良い名前!
自分の子どもが出来たら、「ひなた」とか「陽」という字をいれたいという願望があって、なんかうらやましく思いました。
自分の子どもが出来たら、「ひなた」とか「陽」という字をいれたいという願望があって、なんかうらやましく思いました。
小路さんの描く、新しい家族の物語。
気持ちがほっこりと温かくなりました。挿絵や装丁のイラストもとても可愛く、お薦めですよ。