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全共闘運動が最も激しかった1960年代後半、週刊誌編集部で働く記者・沢田は、理想に燃えながら日々活動家たちの取材を続けていた。ある日、梅山と名乗る男から接触を受けた沢田は、武装決起するという梅山の言葉を疑いながらも、不思議な親近感と同時代感を覚えてしまう。


監督:山下敦弘
音楽:ミト(クラムボン)、きだしゅんすけ
主題歌:「My Back Pages」真心ブラザーズ×奥田民生


リンダリンダリンダ」の山下監督、妻夫木君と松山ケンイチということで、それだけでも興味があったのですが、予告編をよく目にしたので気になっていました。
 
が、結果的に何だか私には難し過ぎてよく分からなかったです・・・。
 
梅山がしたかったこと、沢田が目指していたもの。
最終的にあの結末になった訳だけれども、結局この映画は何を伝えたかったのかと。
 
 
今では想像もできないけれど、1960年当時の学生たちの勢いというのは本当に凄かったなあと。
現代の大学生はとにかく就職氷河期を勝ち抜くために、ただひたすら耐えて努力をするしかない。いうなれば身動きが取れないような、非常に窮屈な状況だと思います。
一昔前は、大学生と言えば遊び呆けているような印象が強かったけれども、今の学生はそんな猶予さえないですもんね。
そんな現代から見ると、この梅山達の勢いは未来を恐れないからこそ、強い。
それがいつしか間違った方向に行くと分かっていても・・・。


駄作とは思いません。
ただ、私には難しかった、ということです。
 
山下監督の撮り方、好きですね。
今回は題材が題材だけに難しくて入り込めなかったけど、俳優陣を非常に魅力的に描いていました。
 
松山ケンイチがとにかく良いです。
この人は本当に、作品によって違ってみえる。
顔立ちのせいか、松山ケンイチは現代人を演じるより昭和の男役が凄く似合うと思います(笑)
 
嘘なのか真実なのか、信じていい男なのかと思うのに、男女共にいつの間にか梅山のペースに引き込まれている。
最後の最後、平気で仲間を売るような事をいけしゃあしゃあと自供するのに、しかし確かにあんな風に話術とそれを信じ込ませるだけの雰囲気を持った男がいたら、騙されてしまうのかな。
そういう、得体の知れなさ、というか中世的な雰囲気を松山ケンイチは見事に演じていました。
 
そして女優陣が良いです。
忽那汐里さん、石橋杏奈さん(「時をかける少女」の母の学生時代役を演じていて可愛いと思っていたんだけど、何処かで見た事があるなあとおもっていたら!)、韓英恵さん(「誰も知らない」の頃から何か気になる子です。あの大きい黒ぶち眼鏡が似合うのは凄い!)。
 
どちらかというと、男子ばかり出てくる映画でしたが、その中にふっと入ってくる女子陣。
台詞もさほど多くないけど、不思議な存在感がありました。
 
主演の妻夫木君の、最後の男泣きのシーンも良かったです。
 
出演俳優陣が演技派揃いだっただけに、この映画の良さを理解できずに何だか勿体なかった気がします。
評価が分かれる映画だと思いますが、俳優陣(特に松山ケンイチ)の演技は見る価値あるかも。