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はれのち、ブーケ

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こたえを探している、すべてのひとに。

神戸・北野のチャペル。学生時代から10年の交際を経て、ひと組のカップルが結婚する。
当日集まったのは、かつてのゼミ仲間たちだった。
30歳――仕事、恋愛、結婚、出産……それぞれの人生を選び、歩んできた彼らが、それでも悩み、焦り、迷いながらも見つける幸せの形、等身大の生き方とは。
結婚式の一日を舞台に、六人の男女それぞれの事情を健やかかつ繊細な筆致で描く。
結婚を夢見る人にも、仕事を頑張っている人にも、子育て中のお父さん、お母さんにも!
この小説の中に、あなたのこたえがきっと見つかるはず。期待の新鋭が贈る傑作長編です。


瀧羽麻子さんの本です。
 
瀧羽さんは、地元の図書館でたまたま見つけて読んでみたら凄く良かったという作家さんであります。
今までの作品が軽いタッチでさらっと読める感じだったので、本作はその瀧羽さんの良さを残しつつ、ちょっと真面目な作品として仕上げた、というか。
うまく言えませんが、結論から言えばとても良い作品でした。
 
30歳での結婚というと、どうしても「遅い」とか、結婚に至るまでの何とも鬱々とした紆余曲折が描かれたり、友人知人の結婚に焦る様が描かれたりといった作品には辟易していました。
私も30歳を目前とした、一般的には結婚に焦った、焦らなければいけない年齢なのかもしれません。
でも、焦らずにじっくりと相手に向き合って結婚へと辿り着いた理香子と裕人。
大学時代の同じゼミの仲間達のそれぞれの語りで展開される話は、結婚する人、結婚できない現状に焦る事もできずに複雑な胸中を抱いている人。
社会的な立場でも中途半端な現状に戸惑う人、など様々な立場から描いているので感情移入してしまいました。
 
連作短編になっているのですが、
 
ハーバーランド
北野
フルーツサンド
 
が特に良かったです。
裕人みたいな旦那さん、素敵ですね。
私はどちらかといえば、理香子みたいに相手の優柔不断にイライラして怒ってしまうタイプなので(汗)
そんな自分を受け入れてくれる人なんてなかなかいなそうです(笑)