妖の華

 

ヒモのヨシキは、ヤクザの恋人に手を出して半殺しにあうところを、妖艶な女性に助られる。同じころ、池袋では獣牙の跡が残る、完全に失血した惨殺体が発見された。その手口は、3年前の暴力団組長連続殺人と酷似していた。事件に関わったとされる女の正体とは?「姫川」シリーズの原点ともなる伝奇小説が復刊。第2回ムー伝奇ノベルス大賞優秀賞受賞作。

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誉田哲也さんの本です。

 

これぞ、誉田哲也の原点！というべき（まあデビュー作なんですが）作品でした。
タイトルから何となく読むのを躊躇っていたのですが(笑)、これで誉田さんの過去作品は全部読んだことになるのかな。

 

冒頭から國奥が出てきてまさか、と思ったらあの井岡が普通に（？）捜査をしている！
「姫川玲子シリーズ」のスピンオフ？と思っていたら、この作品の前に応募した姫川シリーズの原点ともなる作品が落選し、その続編として書いているからなのだそう。

 

デビュー作と思い身構えていましたが、知っているキャラクターが出ている安心感。
「疾風ガール」や「武士道～」を匂わせる語り口と、「ジウ」や「姫川」シリーズを彷彿とさせる読ませる警察小説。
死体描写のグロさもそのままに、今後の誉田哲也の可能性を十分に感じさせる一冊でした。

文章も上手いのでとても読みやすいです。

確かに色々と詰め込み過ぎている感はあるものの、デビュー作としては上々。

私は大分後から誉田さんの作品を知った人なのですが、誉田さんの持つ様々な作風やバラエティに富んだ作品を知っているだけに、まさにこれは原点だな！と思いました。

 

警察小説＋若い女の子の話＋ホラーを存分に盛り込んで、上手い事ミックスしているので私としては結構楽しめました。
この次の作品「アクセス」は個人的にはあまり・・・という感じだったので、早くこっちも読んでおけば良かったと思ったくらいでした。