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天国旅行

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もう一度、立ち止まり、君と問いたい。そこは楽園なのかと――富士の樹海に現れた男の導き、命を賭けて結ばれた妻への遺言、前世の縁を信じ込む女の黒い夢、死後の彼女と暮らす若者の迷い、一家心中で生き残った男の決意……この世とあの世の境目で浮かび上がる、愛と生の実像。光と望みが射し込む、文句なしの傑作短篇集。


三浦しをんさんの本です。
 
ぬぉぉぉー!
このタイムリーな題材は何だ!
 
まさか「心中」をテーマにした短編集だとは思わずに予約していました。
地元の図書館で普通に置いてあったので、予約で長い間待っていたのですが、結局は地元で借りる事に。
 
一番良かったのが、一番目の「森の奥」。
樹海での自殺がテーマだったので、他人事とは思えませんでした。
それでも最後が光が見えるような終わり方だったことに救われました。
 
「星くずドライブ」も結構好き。
よくよく考えると救いがないような気もするんだけど、この苦さは嫌いじゃない。
 
三浦さんはそれにしても、ほんと沢山の引き出しを持った方ですよね。
 
三浦さんが描く、こういう暗いテーマの小説はなかなか自分好みです。
 
心中がテーマなんだけど、全てがどんよりと思い訳じゃなくて、程良く前向きな終わり方のものがあったりするから、安心して読む事ができました。
 
多分全てがダークな話だったら、今の私は心中してしまいかねないですからね・・・