三月には珍しい雪の日、伊豆の山荘で惨劇は起こった。新興企業アラミツ・グループが所有する保養所・萩宮荘で、若き総帥・荒垣美都夫が撲殺されたのだ。ここは歴代の所有者が次々と不幸に襲われたという呪われた山荘だった。殺害現場となったホールは完全な密室状態だった。外部からは争う物音が確認されたが、現場に入ってみると荒垣の死体しかなかった。ホールの窓の外は降り積もった雪が逃走した者がいないことを証明している。犯人はどこへ消えたのか?社内懇親会で集められた二十人の中に犯人が?事件の解決に名探偵・影浦逸水が乗り出したが…。『生存者、一名』『館という名の楽園で』を収録した密室トリック三部作。
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歌野晶午さんの本です。
表題作の他、「生存者、一名」と「館という名の楽園で」の三編が収録されています。
表題作、館と~の二つは、推理小説。
しかし一風変わった推理小説になっています。
表題作のタイトルが、ラストで「なるほど!」と声をあげてしまいたくなる程にぴったりなんです。
また一番引き込まれたのは、生存者、一名。
現在と過去が同時進行し、真相が解き明かされるラスト!
歌野さんは、やっぱりこうでなくっちゃ!という一冊でした。