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Pの密室

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少年、御手洗潔
2つの難事件に挑む

完全な密室で発見された残虐な刺殺体。周囲のぬかるみに足跡も残さず消えた犯人。そして現場の床に整然と敷き詰められた赤い紙の謎。幾重にも重なる奇怪な状況に警察は立ち往生するが、小2の御手洗少年は真相を看破する。
表題作ほか名探偵・御手洗潔の幼少期を描いた「鈴蘭事件」収録。ファン垂涎の1冊!


 
島田荘司さんの、御手洗シリーズ。
 
うむむ、今回はちょっとばかし苦戦。
 
「鈴蘭事件」と「Pの密室」の二編を収録の本作は、なんと!
 
御手洗の幼稚園時代と小学生時代の話なのです!
 
名探偵コナンより凄い少年が現れた!(笑)
 
ありえないっすよ、と思いつつ、御手洗の経歴を見れば何となく納得してしまうから凄い。
 
金持ちの家に生まれたものの、両親からは捨てられ、伯母の家で厳格に育てられた御手洗の少年時代。
御手洗が何故女性に対して冷たいのか――その理由を作ったと思われる事件がここにありました。
 


 
「鈴蘭事件」は、なかなか楽しめました。
御手洗の伯母が、御手洗の上を上をいくほど狡猾でやり手であることが分かったラスト。。。
 
「Pの密室」も面白かったのですが、いかんせん事件の概要説明が長くて・・・
途中で意識がなくなってた気がします(苦笑)
無意識にページをめくっていたような。
 
でも、御手洗が真相を解明することで、不幸になる人間が出てくるという現実。
そのラストのささやかな母子の交流シーンから、今後起こるであろう辛い現実を想像できて、胸がしめつけられるようでした。
 
御手洗が現在の大人になり、したたかに事件を受け止められるようになるまでに、一体どれだけの経験をしてきたのだろう。
ちょっと心配になってしまう、貴重な二編でした。