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ストロベリーナイト

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溜め池近くの植え込みから、ビニールシートに包まれた男の惨殺死体が発見された。警視庁捜査一課の警部補・姫川玲子は、これが単独の殺人事件で終わらないことに気づく。捜査で浮上した謎の言葉「ストロベリーナイト」が意味するものは?クセ者揃いの刑事たちとともに悪戦苦闘の末、辿り着いたのは、あまりにも衝撃的な事実だった―

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誉田哲也さんの本です。

読みすぎですか?笑

会社帰りに、電車の時間合わせのため、時々書店に立ち寄るのですが。
そこで毎度ながら物凄い勢いで推されているのが、このストロベリーナイトでした。

以前から気になってはいたのですが、ミステリならぬ「警察小説」って?!
敷居が高いというか、未知の領域だったので読む機会もなかったのです。

しかし、先ごろ読んだ武士道シックスティーンの作家が書いているのだと知った瞬間―俄然興味がわいてきました。

くしくも、何故か地元の図書館にはこの作品を除いた、姫川シリーズの2作目の「ソウルケイジ」と3作目の「シンメトリー」、デビュー作の「アクセス」しか所蔵していないという状況だったため、2作目から読んでしまったわけです(最近このパターンが多い・・)。

そうしたら、予想以上に面白かった!んですよ。
これは、1作目を読まないわけにはいかん!
そう思い、予約。しかし話題になっているだけあって、なかなか手元にやってこない。

これは仕方ないと、オークションで落札しました。送料込みで¥340。
定価で¥700近くするので、まあお徳かと。

2作目で詳しくは書かれていなかった玲子の忌まわしき過去が、ようやくはっきりしました。
それに、2作目は折り合いの悪い同僚の日下の確執と和解が描かれてもいましたが、今回は「ガンテツ」こと、勝俣との腹の探りあいというか、いかにして自分でほしを上げるかの攻防戦とも言うべき話も一つとしてあるので、見ものであります。

最初に読んでいると、ガンテツの態度のデカさと、玲子の過去を平気で本人に言ってしまうデリカシーのなさに苛立っていたのですが、最後で見直すことが出来て良かったです。

しかし、1作目の井岡は怪しいというか、ウザイ(笑)

だけど、むしろアプローチしたくてもできないもどかしさが逆に苛々する菊田より、玲子には井岡みたいな人の方が合うのかもよ?と思ったりしました。


殺人描写、犯人の壮絶な過去、そういったものは容赦なくグロイですが・・・それがあるからこそ、事件の残虐性が読者に迫ってくるように思えるのかもしれません。

ただ、「ストロベリーナイト」のようなイベントは、何かの本で読んだ気がすると思ったんですよ。
池袋ウエストゲートパークだったかな?
どっちが先なんだろう?と思いながらも、全く別物の物語として最終的には読めたのでなかなか満足です。
でも、個人的には2作目の方が好きです。

玲子のような被害に遭った人は、果たしてこんなに強く立ち直れるものなんでしょうか。
あくまで男性作家ということもあって、妙にあっさりし過ぎている感もありました。

けれど、勇気を振り絞って裁判に出廷した被害者に、弁護側のあんな発言は憤りを感じます。そういう部分を含めて、警部補までノンキャリアでのし上がってきた玲子の強さに、同性としても尊敬の念を感じました。

次は、シンメトリーにいきます!