嵐の晩だった。雑誌記者の高坂昭吾は、車で東京に向かう道すがら、道端で自転車をパンクさせ、立ち往生していた少年を拾った。何となく不思議なところがあるその少年、稲村慎司は言った。「僕は超常能力者なんだ」。その言葉を証明するかのように、二人が走行中に遭遇した死亡事故の真相を語り始めた。それが全ての始まりだったのだ…
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宮部みゆきさんの本です。
やっぱり宮部さんの本には、ほとんど外れはない!
面白かったです!
面白かったです!
超能力者と、苦い過去を持つ雑誌記者の話。
……なんて、簡単に片付けちゃいけない。
深い話でした。
深い話でした。
相手の心が読めたり、物や人に触れる事で記憶を読む事が出来る能力を持っているという高校生の少年・慎司と、台風がやってきた嵐の日、偶然出会った雑誌記者、高坂。
開け放されていたマンホールの蓋。
消えた幼児。
落ちていた傘。
消えた幼児。
落ちていた傘。
傘に触れた慎司は、青ざめた表情になっていた。
幼児が、恐らくその穴の中に落ちて亡くなったらしい。
その犯人をまるで見たかのように語り出す慎司。
ひょんなことから、その嘘か本当かも分からない話に巻き込まれ、犯人探しを始める事になってしまった高坂。
職場に送られてくる謎の白紙の手紙。
慎司は嘘をついていると職場を訪ねてきた、もう一人の少年・直也。
直也とかかわりがあったという、口のきけない女性・七恵。
高坂にかけられる脅迫電話。
そして、高坂の苦い過去の相手・小夜子にまで危険が迫り・・
そして、高坂の苦い過去の相手・小夜子にまで危険が迫り・・
マンホールの蓋を開けた犯人、慎司と直也の力、七恵と高坂の淡い恋、元恋人小夜子とその夫と愛人の関係、そして脅迫している犯人と、真の目的が明らかになって―
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まさか、最後でこう繋がるとは思いませんでした。
私はSFや超能力に興味がないのですが、宮部さんにかかれば現実的な話としてすんなりと受け入れてしまえる自分がいて、びっくりします。
私はSFや超能力に興味がないのですが、宮部さんにかかれば現実的な話としてすんなりと受け入れてしまえる自分がいて、びっくりします。
話の展開も面白かったですが、個人的に高坂と七恵の関係も何だか好きでした。