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蒲生邸事件

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予備校受験のために上京した受験生・孝史は、二月二十六日未明、ホテル火災に見舞われた。間一髪で、時間旅行の能力を持つ男に救助されたが、そこはなんと昭和十一年。雪降りしきる帝都・東京では、いままさに二・二六事件が起きようとしていた―

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宮部みゆきさんの本です。

ああ・・!厚い本でした。
2日で読み終わったのが奇跡。
今日は休みを取ったから、じっくり読む時間があったせいもありますが。

いや、私・・

自分の誕生日も、2月26日なんですよ。二・二六事件と同じ日

なんだけど、実際授業で習っても五・一五事件犬養毅が暗殺されたんですよね?そういう知識はあるのに、二・二六事件って・・何だっけ?と実は全然理解していないのであります。

この小説は、あらすじとか全く見ないで図書館で借りてきたのですが・・最初の方で、もしかしたら挫折するかも?!と思ったのですよ。

私は歴史とかあんまり興味なくて、小難しい話だったら無理かも・・と恐る恐る読んでいたのですが、いやいや。
やはり宮部さんは少年を描くのが上手い。

しかも、タイムトラベラー(時間旅行者)なんていう、突拍子もない話と二・二六事件が絡まりあっている話なのに、全然違和感がなくて。

蒲生邸に住む人々がどれもこれも怪しくて、コイツが怪しい、いや・・コイツか?と思ったりしながら読んでいると、結構楽しかったりして。


小説でタイムトラベラーの話って多いと思うんです。
でも、この小説の中では結局歴史的事件を代える事は出来ないというのが断定されていて、何だか驚いたりしました。

結構、そのタイムトラベラーが何かを行動するだけで、未来が変わってしまうというパラドックスっていうんでしたっけ?
そういうのが問題になるとかいう話は多いと思うんですよ。

でも、この小説の中では、たとえ何か歴史を変えようと行動を起こしたとしても、それに似た事件や事故は絶対に起こる、だから歴史は変えられないというような感じだったのが意外でした。

確かに、歴史的人物でもないような一個人が、何をやっても本当に自己満の域での変化しかもたらさないのかもしれない・・と思ったら、そんな能力があるだけつらそうだなと思ったりしました。