「俺、ここでいったい何をやっているんだろう」。江戸・深川の鉄瓶長屋を舞台に店子が次々と姿を消すと、差配人の佐吉は蒼白な顔をした。親思いの娘・お露、煮売屋の未亡人・お徳ら個性的な住人たちを脅えさせる怪事件。同心の平四郎と甥の美少年・弓之助が、事件の裏に潜む陰謀に迫る―
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宮部みゆきさんの本です。
そんなに厚みがある訳じゃないのに、結構文字がびっしりのせいか読むのに時間がかかってしまいました。
が・・
すっかり江戸の世界に浸ってました。
何だろう、最近読んだ時代モノの中でも群を抜いて素晴らしい。
何だろう、最近読んだ時代モノの中でも群を抜いて素晴らしい。
ちょっとした街並の描写一つとってみても、色鮮やかに脳裏に浮かぶ感じというか。
で、上巻では短編が続いていたので結構まったりとした連作なのかな?と思わせて、下巻はなかなかに読み手を引き込んでくれます。
で、上巻では短編が続いていたので結構まったりとした連作なのかな?と思わせて、下巻はなかなかに読み手を引き込んでくれます。
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鉄瓶長屋で、若い差配人・佐吉がやってきてから、奇妙な程に店子がどんどん減っていくという事態に見舞われる。
その若さ故、仕方がないという見解もあるが、当の佐吉は気落ちした様子。
その若さ故、仕方がないという見解もあるが、当の佐吉は気落ちした様子。
その様子を見かねた同心の平四郎は、世にも綺麗な顔立ちをした甥の弓之助と共にその裏に隠された真相を探っていこうとする。
表面上では、何の不自然さもなく繋がっているようにも思えない数々の出来事は、実は裏で巧妙に繋がっていた―
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弓之助がいいですね。
超美形の子どもなのに、何でも測量してしまう癖があるっていう変な子どもでもある。
そのくせ、べらぼうに頭が切れるのにおねしょを卒業できないという部分もあって。
超美形の子どもなのに、何でも測量してしまう癖があるっていう変な子どもでもある。
そのくせ、べらぼうに頭が切れるのにおねしょを卒業できないという部分もあって。
これはシリーズ化してないんですかね?
それぞれ癖のあるキャラクターばかりですが、続きがあったらぜひ読みたいと思った作品です。
この本を読んだせいか、江戸東京博物館に行きたくなりました(笑)