名探偵・信濃譲二は、とある小劇団にマネージャーとして参加し、万能ぶりを発揮し始める。だが、特別公演「神様はアーティストがお好き」の初日、惨劇の幕が切って落とされた。次第に疑心暗鬼になっていく団員達。6年前の稽古中の死亡事故と関係が？ 信濃が命をかけて謎解きに挑む、傑作本格推理第3弾。
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歌野晶午さんの本です。
信濃譲二シリーズの第三作目なのですが、私は一つ飛ばしで読んでしまったらしい…
そもそも、このシリーズを最初に読んだのは、三作が出たあとの短編からだったし(苦笑)
新装版という事で、前書きがあるのですが…
歌野さんの作風の変化(本格推理小説からミステリへ…と、私のイメージではそんな変化なんですが)、この作品が一つの句切りになったのだと思われる記述があります。
私は推理小説が苦手らしいとわかってきたのですが、しかしここまで鮮やかに転身(と言って良いのか分からないですが)を遂げた作家がかつていたでしょうか。
とりわけ、作家自身が作り上げた名探偵を自らの作品の中で、「殺して」しまうなんて…！
驚きの冒頭から、クライマックスでの衝撃と言ったら…！
あぁ、なんて凄い作家なんでしょう。歌野さん。
なんだか今回の信濃はあんまり読んでて苛々しないなあと思ったら…まさかの結末。
してやられました！
解説の一文、
「第二幕の19から第三章、エピローグ、カーテンコールに至るまで、途中で読むのを中断できる読者がいるだろうか」
に頷きながら読んだのは、私だけではないでしょう。
