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御手洗潔の挨拶

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嵐の夜、マンションの11階から姿を消した男が、13分後、走る電車に飛びこんで死ぬ。しかし全力疾走しても辿りつけない距離で、その首には絞殺の痕もついていた。男は殺されるために謎の移動をしたのか?奇想天外とみえるトリックを秘めた4つの事件に名探偵御手洗潔が挑む名作。




島田荘司さんの本です。

いつもお薦めの本を教えていただいている、ROMANCERさんから薦められたシリーズものです。
恐る恐る手に取ってみましたが、「御手洗潔シリーズ」の初めて読んだ作品がこの作品で良かったと思った一冊でした。

私は基本的に、ミステリでも推理小説でも・・・犯人をあてることが出来ない読解力がない人間なのです(苦笑)
なので、どっちかというと最後に「わー!」っておどろかされるミステリの方が好きです。

推理小説は、自分が全く推理出来ないこともあって、謎解きされても理解できないまま終わってしまうのですよ。

なので、推理小説が苦手だと自覚している訳です。
好きな作家の一人でもある、歌野晶午さんのシリーズで信濃譲二の探偵小説がありますが、あの作品すら慣れるまで大分かかりましたからね。
よっぽどキャラクターを好きになれるか、内容が推理小説!っていうくらい推理中心のものでない限り、なかなか苦手意識は消えないよう。

そして、この本です。

トリックやら図解(推理小説特有の)が出てきた時点で、「うわ!もうダメかも!」と思っていたのですが、短編集であったことと、一番最初の数字錠推理小説というよりも、その中身の深さに感動。
多分この作品が御手洗シリーズの初めて読んだものでなかったら、こんなにすっと入ってこられなかったと思ったくらい。

この作品の他に収録されている中でも、決してコーヒーを飲んでいない御手洗と石岡に微笑ましいような、嬉しい気持ちになりながら、案外するすると読めた事に自分でびっくりしました。

推理小説なんだけど、それだけじゃなくて、物語の一つとしても十分に読める作品だったと思います。
短編から入ったのは正解だったかもしれません(信濃シリーズは、短編から入ってダメで、長編でやっと馴染んできた感じだったので、不思議です)。

このシリーズ、沢山出ているみたいなので他にも読んでみたいと思います。
やっぱり島田さん、安定して読めますね。流石、有名な作家です。