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グラスホッパー(再読)

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妻の復讐を目論む元教師「鈴木」。自殺専門の殺し屋「鯨」。ナイフ使いの天才「蝉」。3人の思いが交錯するとき、物語は唸りをあげて動き出す。疾走感溢れる筆致で綴られた、分類不能の「殺し屋」小説!

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伊坂幸太郎さんの本です。
今度映画を観る予定だから、読み返しておこう、と思ったら、この本じゃなくて[ラッシュライフ]でしたね。
自分で持っている伊坂本は、これと[アヒル~]だけなんで、他の作品は全部図書館で借りて読んだだけなんですよ。

本作は、読むのが二度目だったと思います。
案外覚えているものですね。


妻をどうしようもない馬鹿息子に殺された鈴木は、復讐のために馬鹿息子のいる組織[令嬢]に入り込み、その機会を伺っていた。
ある時、鈴木を疑う組織から試される事になった鈴木の目の前で、馬鹿息子は車に轢かれてしまう。
「押し屋」という存在が関係しているらしい事に気付いた鈴木は押し屋を追う。

「自殺屋」の鯨、「殺し屋」の蝉も、ひょんな事から押し屋を追い始めるが…

三つの視点から展開する物語が、一つに重なった時の爽快感はたまりません。
鈴木の亡き妻の前向きな考えが微笑ましいです。

序盤、少々展開にとっつき難さは感じましたが、中盤~終盤にかけての鮮やかな展開はやっぱり伊坂さんという感じでしょうか。

「バカジャナイノー」にニヤリとしますが、最後の電車が通り過ぎるのがやけに長いと感じるという一節は、もしかしたら鈴木にも幻覚の予兆が見え始めたとかいう事なのでしょうか…
深読みし過ぎですかね?