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マリアビートル

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元殺し屋の「木村」は、幼い息子に重傷を負わせた相手に復讐するため、東京発盛岡行きの東北新幹線“はやて”に乗り込む。狡猾な中学生「王子」。腕利きの二人組「蜜柑」&「檸檬」。ツキのない殺し屋「七尾」。彼らもそれぞれの思惑のもとに同じ新幹線に乗り込み―物騒な奴らが再びやって来た。『グラスホッパー』に続く、殺し屋たちの狂想曲。3年ぶりの書き下ろし長編。


伊坂幸太郎さんの本です。
 
予約して2ヶ月待ちだったかな。
早めに予約したのに、なかなか来なかったなあ。
実際読んでみて思いましたが、分厚くて内容が濃い。
これは普通に読んでたら通勤中の二日間では読み終わらなかったかも!と思いましたが、今日は休みだったので勢いで読み終えました。
 
グラスホッパー」の続編、ということでとても懐かしい名前がちらほらと出て来ます。
鈴木・蝉・鯨・・・
脇役としてだけど妙に存在感のある鈴木も出て来ますが、アサガオ(漢字が変換できなかった)もちょこっと出てきて、そしてしっかり「押し屋」としての仕事もこなしていたり。
 
今回もわんさかと殺し屋であるとか、同業者が出て来ますが、こんなに怪しげな人物だらけの新幹線に乗り合わせてしまった一般客は恐ろしいですよね(笑)
 
個人的に蜜柑と檸檬が好きなキャラクターだったのだけど、蝉の時と同じで・・・切なかったです。
大体好きなキャラはすぐに死んでしまう。
 
何故か一番共感したのが、木村でした。
アル中で昔悪い仕事をしていた中年男。息子を中学生に殺されかけた父親として、その中学生の王子を殺そうとしたのに、逆にあやつられてしまう。
王子と出会ったばかりの過去の話は、まだ形勢逆転していないというか、木村が飄々としているので安心して読めますが、それにしても最大限子供であることを武器にして大人を騙してほくそ笑んでいる王子の憎たらしいこと!
 
木村の両親との結末は一体どうなったのか。
殺していないとしても、痛い目に遭わせてあげないとこのガキはきっと分からないんだろうな、自分がどれだけ悪質なことをしてきたかが・・・。
 
お洒落眼鏡?の不運な天道虫こと七尾は、だけど最後までこうして生き残っているんだからやっぱり幸運な男なのかもしれない。
 
タイトルにあるマリアビートルからしても、結局はマリアが全てを理解していて操っていたんじゃないだろうか?なんて勘ぐってしまうけど、そこは曖昧に描かれていてよく分からないですね。
 
そして大体私の勘は外れるし(笑)
まあ、その曖昧さがこの物語の結末には丁度良い気もする。
 
中盤から後半にかけて、ぐっと面白くなってきます。
半分まで読むのは一苦労かもしれませんが(何しろ内容が濃いからなかなか時間がかかる)、そこまできたら後はもう一気に読めますので、ご安心を!