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悪夢探偵

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不可解な事件が立て続けに起こった。

被害者は、必ずベットの上で眠った状態で切り刻まれて死んでいる・・。

1人目は、とある少女の死体。
部屋も荒らされておらず、侵入者が入ってきた形跡もない。

しかし、隣人が少女が叫び声をあげていたと証言していた。

無残な姿。
それはしかし、自分を自分で切り裂いてしまったという「自殺」としか言いようがなかったのだが。。

2人目は、中年のサラリーマン。

少女と同じように、ベッドで眠っていながら自分自身にカッターで何度も切りつけ自分を痛めつけていたのを妻が見ていた。

「夢の中で誰かに襲われているようでした・・」

その死体も、無残に自ら自分を切りつけた一見自殺のようだった・・が。

妻が目撃していた際の証言は、不可解なものだった。

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捜査する中で、二人の自殺?者に意外な共通点が浮かび上がる。

一つは、お互いが自殺志願者であったこと。
そしてもう一つは、死の直前「0」という人間と電話をしていたのだ-

事件を担当することになった、現場勤めが初めてとなるキャリア組刑事の霧島慶子、同僚の関谷、若宮。

「0」にリダイヤルをし、接触を試みようとするが警察だと気付かれぬよう慎重に捜査が行われた。

そして、慶子は死んだ夫の死ぬ時の様子を見ていた妻の証言からに原因があるのでは?
と読む。

そして、夢の中に入れるという特殊な能力を持つ悪夢探偵と呼ばれる男-影沼京一に捜査を依頼する。
だがしかし、彼は捜査の協力に拒否した。

彼はその能力を持っていることもあり、知りたくもない他人の心を知ってしまう。
また、夢の中に入るということは、自分にとっても依頼者にとっても危険な行為なのだった・・

そんな中、若宮が「0」に電話をし接触に成功した。

慶子は、若宮の命の危険を感じ京一に助けを求める。
そして急いで警察へと向かう。

「ああ、いやだ、ああああ、いやだ。ああ、いやだ・・」

そして、そこへようやく影沼がやってくる。
そして、若宮の夢に入り込んだのだが・・


更に、事件に関わるうちに悪夢にうなされるようになった慶子。
とうとう「0」とのコンタクトを取る。
そして、追い詰められた慶子は・・


影沼は慶子を救えるのか?
犯人を見つけ出し、この事件を食い止めることは出来るのか・・?!

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2007年

監督:塚本晋也

出演:松田龍平/hitomi/安藤政信/大杉漣/塚本晋也/原田義雄 他

エンディングテーマ:フジファブリック 「蒼い鳥」

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公開初日の今日、観にいってしまいました。

渋谷のシネセゾンにて。

私は13時の回を見たんですが、一個前の時間に舞台挨拶があったんですよね。

安藤君が同じ場所にいたのかと思うとそれだけで「萌え~」です(笑)

それでそのせいだと思うんですが、映画館の外に萩原次晴が撮影してたんですよ!

ズームインSUPERの朝の7時前のコーナーでエンタ次晴流というコーナーがあるんですけど、あれです。

「着地!」

とかってやっていました。オレンジの服で(笑)
それで、関係者の所に入っていきました。

もしかして微妙にテレビに映ったかもしれないです(笑)明後日の月曜日放送らしいです。
それにしても初めて芸能人を見たよ。渋谷で。

それとフジファブリック蒼い鳥タワレコで買ってきました。
暗い!
暗いよ!

でも、この映画の世界観に見事にマッチしている。

2曲目の東京炎上が凄いのでぜひ聴いて欲しい。

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とまあ雑談はこのへんで。

この映画は・・

私的には「怖かった」という感じですね。
ともかく、死に方がグロイです。
夢の中があんなに怖いのは、やはり「悪夢」だからなんでしょうけど。

夢の中に入れる能力を持った松田龍平演じる影沼は、その夢の中で負傷したりするんです。
他人の夢の中で。
その行為自体がとてもリスクがあって、他人の夢で死んでしまうこともありうるらしい。。
となると、何だか妙に怖いのです。

そして、追い詰められていくhitomi演じる慶子の、緊迫感がこっちにまで伝わってきて背筋がゾクリとしてしまいます。
演技は初めてらしいですが、抑えた演技はなかなかですかね(沢山喋る所はちょっと聞き取りずらかったが)。
それにしても、スカート短っ!足、細っ!

そして、安藤君。
あの狂ったような叫ぶシーンにびっくりしました。
色々な演技が出来る人なんだと改めて実感。

しかしやっぱり・・そういう役なんですね・・敢えて言わないけれど。
でもかっこいいっす。スキッス。

それと「0」と名乗る「ヤツ」を演じた監督塚本晋也が一番怖かったかもしれません。

心に深い闇を持っているが故なのでしょうが・・。
最後の最後まで怖かった。

どうなるのかと思ったけれど、何とか見終えました。

それにしても、影沼の過去が少しずつ見えてきて何ともいえない気持ちになりました。

ミステリーでもあり、サスペンスでもあり、エンタテインメントでもあり、この映画を何かの枠に捉えようとは思いませんが・・

人の恐怖をあれだけスリリングに、またスピード感溢れる映像に仕上げていることだけはいえます。

そして、「死にたい」なんて思う人、思う事をあざ笑っているかのように感じたのは気のせいでしょうか?

映画の中で死んだ人間たちは、

「死にたい」

と願い続けて生きていた。
それを「0」と共有しようとした。
そして、いざ死のうとした時・・悪夢でヤツに殺される恐怖を味わう・・

そうするとどうだろう。

追い詰められる恐怖と共に、「死」を恐れているのが分かるのだ。

死にたいと思っていた人間が、だ。

それは、とことん矛盾していやしないか?

矛盾している。

本当に死にたいと思っているなら、いっそ殺される(=死ねる)事でも本望なのではないのか?
違う?

ということは、つまり。

単に死に憧れているだけなのかもしれない。

自分自身から逃げ出す術を「死」だと勘違いしているだけなのかもしれない。

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だからあと一つだけ言うとするならば。

ぜひ「死にたい」なんて思ってしまっている人に観て欲しいと思う。

私は「死」に、少しでも憧れていなかったとは言えない人間である。
だけど・・
この映画を観て、そんな風に思ったのだ。

だから、人は・・簡単に死んだりなんかしてはいけないのだ。
強く、そう思う。