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烏に単は似合わない

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人間の代わりに「八咫烏」の一族が支配する世界「山内」で、世継ぎである若宮の后選びが始まった。朝廷で激しく権力を争う大貴族四家から遣わされた四人の后候補。春夏秋冬を司るかのようにそれぞれ魅力的な姫君たちが、思惑を秘め后の座を競う中、様々な事件が起こり…。

阿部智里さんの本です。
 
オススメの本を教えてもらった中の一冊。予約をしてようやく手元にやってきました。
 
本作、史上最年少松本清張賞受賞作だそうです。
松本清張といえば、2時間ドラマの定番(←イメージ)。
 
しかしこの作品を読んでみても、平安絵巻を読んでいるようなきらびやかな物語。
ファンタジックであり、何とも美しく、四人の后候補がまた美女揃いなので読んでいる方も自然とテンションが上がります。
しかし松本清張のまの字も見えてきません。
なんだろ、どうなるの?
 
そんな風に考えながら読み進めていくと、何やらきな臭くなっていく展開。
人が死に、4人の姫君の取り巻き達の怪しい動きと揚げ足取りが強くなっていく。
そして更にもう1人、人が死に・・・
 
なかなか姿を現さなかった若宮が登場し、衝撃の事実が明かされていく・・・!
 
はっきり言って、若宮が突然探偵役よろしく真相をついていく様は、もう「え?え?!ええー?」という気持ちになるばかりで一回読んだだけではついていけず。
 
なのですが、世間知らずな箱入り娘とばかり思っていたあの姫が実は・・・という事実には驚き、平安絵巻と思っていた当初の感情は完全に置いていかれ戸惑いました。
 
それでもこの前半の平安絵巻、白珠の登殿前の淡い恋のような物語、4人の后候補の美しい競り合い・・・とても好みでした。
 
まさかこんな展開になると思っていなかったので気持ちがついていなかっただけで、ミステリ好きな自分としては二度面白いと思えますし、再読した時にはまた違った感想になっているかもしれません。
 
若宮がほとんど登場しませんが、続編の2巻で色々語られている様子。
早速予約しました。
 
個人的に浜木綿が好きだなと思ったので、結果的に満足。
 
壮大な物語でした。
 
しかしAmazonレビューは厳しいですね。私は結構好みなんだけどなあ。
(4.5点)