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ぼくのメジャースプーン(文庫版)

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ぼくらを襲った事件はテレビのニュースよりもっとずっとどうしようもなくひどかった――。ある日、学校で起きた陰惨な事件。ぼくの幼なじみ、ふみちゃんはショックのあまり心を閉ざし、言葉を失った。彼女のため、犯人に対してぼくだけにできることがある。チャンスは本当に1度だけ。これはぼくの闘いだ―



辻村深月さんの本です。

ノベルス版を持ってるし、これで読むのは3回目になるのに・・・文庫を買ったオタクな自分です。
辻村作品で気に入ってるやつは、結局どっちも買ってしまっていたりします。

この作品は、辻村作品の中でも3番目に好き。
それはあの「子ども~」の秋先生や月子や恭司が登場するから、というのは勿論だけれど、命の尊さとか罪の意識とか、人間の弱さとか、そういったものを深く考えさせられる話だからかもしれない。

うさぎ殺しの犯人が、まるで悪びれもせずにいる事。
ショックから声や生気を失ってしまうふみちゃん。
そんなふみちゃんに対して、罪の意識を背負う「ぼく」。

「ぼく」と秋山とのやりとりが、とてもとても深く心に突き刺さります。


どうすれば、犯人にとっては罪の意識を抱いてもらえるのか。
犯人は何を罰だと思うのか。

もし私が「ぼく」や秋山と同じ力を持っていたら・・・一体どのように力を使うのだろう。


巻末の藤田香織さんの解説がとても良いです。

ああでも、この本を読む度に月子は結局記憶が戻ったんだろうか?とか、恭司と一緒にいるみたいだけど、「あのとき」の恭司とは別人であることに気付いたんだろうか?とか色々と憶測してしまうんですよね。

あー気になる。
そして続けて「名前探しの放課後」を読みたくなってしまうのです。

大好きです、本当に。