私は土の中で生まれた。親はいない。暴力だけがあった。ラジオでは戦争の情報が流れていた-
中村文則さんの作品です。
第133回芥川賞受賞作。
だそうなのですが、前回が芥川賞で騒ぎすぎたのか、今回全然ニュースすら見ていなかったのか・・
自分は、この作品を知らなかったのです。
感想ですか。
電車の中で読んでいたせいかもしれませんが、気分が悪くなりました。
確かに読みやすいです。
へたくそではありません。
まだ27歳の方だそうです。
しかし・・・内容が救いようがないというか、何ていうか・・・
後味悪いのです。
両親から捨てられ、引き取られた家では、虐待が繰り返される日々。
現実でも、暴走族からリンチにあったり、タクシー強盗に殺されかけたり。
自殺したいと思っているわけではないのに、自ら飛び降りようと無意識に体を傾けていたり・・
今でも毎日もがいているのは、過去のせいなのか。
虐待の果てに自分がされたことは、土の中に埋められるという結末だった。
それでも、地上に這い上がり、施設に預けられたが・・・埋められない傷。
どこまでも、どこまでも不幸です。
最後で、少し浮上していくようなのですが・・・
辛すぎて読むのが嫌でした。
暗いのは好きなのですが・・
暴力の描写とかが、とても苦手なのです。
あと、性描写がキツイのとか。
自分的には、ちょっとお薦めは出来ません。
一応、久々に本を読んだので、感想をまとめてみました。