森野が拾ってきたのは、連続殺人鬼の日記だった。学校の図書館で僕らは、次の土曜日の午後、まだ発見されていない被害者の死体を見物に行くことを決めた…。
ようやく、図書館で借りることが出来ました。
色々な所で、この本の紹介記事(上↑のみたいの)を見たのですが、期待以上でした。
というか、こんな内容じゃ中身のよさなんて何もわかんねえよ!
くらいに思いました。
それほど、深い。
主人公の「僕」は、普通の人が顔をしかめるような、悲惨で、聞いた瞬間に首をつりたくなるエピソードを常に求めている。
普通の人から見たら、ずれている感覚。
それに共鳴する、森野。
二人は、親しいというほどではないにしろ、同じ共通点で繋がっている。
ただ、主人公の「僕」は人を殺す側にいる。森野は逆に、その反対。普通の人に比べると特殊な趣味を持っているが、正常な人間・・つまり殺される側にいるのだ。
その二人が、これでもかというほど事件に関わっていく。
それが短編になっているのです。
私的には、「犬」と「記憶」と「声」が好きです。
「犬」は・・私バカでした。
ずっと語り手を勘違いしていたのです。
何だか分からないけど、読んだ後に何だかすっきりしないもやもやが残る話。
だけど、何だか少し・・淋しい話。
あとは、「記憶」
これは私にしては珍しく、先が読めました。
森野の過去が、明らかになっていくのです。
姉妹のいざこざ・・
何となく、今の自分(妹と中学の頃から口を聞いてないこととか。。姉の私が妹より弱いとか・・)に当てはまる部分も多く・・考えてしまった。
森野の弱さが少し見えた気がして、何かちょっとほっとしたり・・。
で、最後。「声」
これはしてやられた!!って感じです。
乙一すげえ!
何か・・完全に騙されました。
分からなくて、何度も繰り返し読んだりしました。
「ああ!」
っと納得した時の感じ。
くそ~!と思いながら・・ニヤリ。
乙一さんの才能ですね。
話的には・・死体がよく出てきたり、ちょっとグロイです。
夢見悪かったです。
けど、そんなのは気にせず読んでみて下さい。
この本・・凄く良かった。
最近文庫として発売されたので(僕の章と夜の章の2冊になっているが)ぜひぜひ。