今のわたしは、あの頃なりたいと望んだ自分になれているのだろうか。
遠州峰生の名家・遠藤家の邸宅として親しまれた常夏荘。幼少期にこの屋敷に引き取られた耀子は、寂しい境遇にあっても、屋敷の大人たちや、自分を導いてくれる言葉、小さな友情に支えられて子ども時代を生き抜いてきた。
時が経ち、時代の流れの中で凋落した遠藤家。常夏荘はもはや見る影もなくなってしまったが、耀子はそのさびれた常夏荘の女主人となり―。
伊吹有喜さんの本です。
「なでし子物語」の続編が出ていたとは知りませんでした!
図書館で見つけて、続編の2冊を借りてきました。
これは・・・なんというか、できるならもう一度「なでし子物語」を読んでから読むべきだったと思いましたよ。
全然内容を覚えていないんですもの・・・。
しかも煬子が大人になっているじゃないか。しかも結婚相手が・・・?!
ということで、あれから12年後の物語。
結果的に、前作の内容を忘れてしまっていてもまったく問題なく楽しめました。
むしろ、読み始めはあまり馴染めなかった前作よりも読みやすくてわくわくする気持ちになりましたよ。
自分の力でお金を稼ぎたいと、スーパーで働く煬子。
しかし閉店候補になっているほど売り上げが低い店舗。
そこで売上アップに向け、様々なアイデアを出して実行に移していきます。
大人になっても控えめであまり外に出る性格ではないのは変わっていない煬子ですが、本作ではたくましい姿も見せます。
上手くいきすぎの感はあるものの、皆で協力し、考えて実行に移したことで新しい事を成し遂げていく姿は格好良かったです。
由香里のサバサバさも好き。
でも立海の気持ちが切ない・・・切ないわ・・・!
ということで、次の続編を読んでおります。
(4点)