どう闘ったのか、なぜ敗けたのか。真珠湾の大勝利から、沖縄の悲劇まで。
半藤一利さん監修。
先日読んだ「図解 太平洋戦争」でおおよその流れはつかんだものの、もう少し詳しく知りたいと思いこちらも借りてみました。
こちらも教科書では記載されていない、列島での激戦と戦況が詳しく説明されています。
教科書のように、淡々と描かれているところが私には逆に良かったなと思います。
余計な説明や著者の感想などが入っていないところ、事実だけを述べていることがより戦争の悲惨さを読者に伝えます。
ファシズムの台頭や世界情勢がこのようになっているときに、日本では何が起こった、というのがリンクされて紹介されていたのが分かりやすかったです。
また、終戦後のロシアの侵攻や、強制収容所に収監された人々のこと、戦争が終わっても戦いは終わっていないとずっと戦いの地に残っていた兵士など、戦争終結後も戦争は完全には終わっていなかったという事実を知りました。
教科書では本当にさらっとしか書かれていないんだなとしみじみ思います。
島々での戦いで、特に印象的なのが「インパール作戦」。史上最悪の作戦と言われる戦いです。
いつの世も政治的な策略や国家間の対立があって、一部の人間が決めた方針でたくさんの人々の命が失われている・・・やりきれないです。
平成の30年間が戦争のない平和な時代だったこと、なんと尊いのだろうと心から思いました。