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すべてわかる 図解 太平洋戦争 (学校で教えない教科書)

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前史から開戦、東南アジアでの快進撃から玉砕の太平洋戦線にいたるまで、豊富な図版、写真、地図を駆使して、その全貌を伝える、まったく新しい入門書。ジャーナリスティックな視点で、見開き展開でわかりやすく史実を伝える。 

序章 太平洋戦争前史/1章 開戦/2章 東南アジアでの快進撃/3章 戦線拡大/4章 戦局の転換/5章 玉砕の太平洋/6章 日本に迫る米軍/7章 大日本帝国の終焉/8章 日本の復興とアジア

非常にわかりやすく書かれている本でした。

この手の本は、構成が下手くそだったり説明が微妙だと読むのが苦痛なレベルで読みにくかったりするものですが、単元ごとの要点がまず書かれており、その時に何が起こったのか、がより詳しく書かれているので非常にわかりやすかったです。

「学校で教えない教科書」ということですが、教えないというより教えられなかったのかもしれない、というようなことも考えてしまいました。

パールハーバー真珠湾攻撃から始まる日米開戦。
開戦当初は日本軍が優位と思われた戦争でしたが、物資の不足、兵力の不足、圧倒的な軍事力の差に苦境に立たされていく日本。

教科書では有名な真珠湾攻撃、原爆投下、ポツダム宣言玉音放送マッカーサー等々などは書かれるものの、その間に起こったレイテ島の決戦、硫黄島の戦い(映画で有名にはなったでしょうが)、玉砕が続く日本軍の劣勢、そのほかにも島々での戦いがこんなにあったのか!と初めて知るものが多くて自分の無知さに驚いてしまうほど。

勝利どころか玉砕続きの日本軍なのに、国民には勝利という嘘の情報が流されていたこと、軍の中にも米軍との戦争に勝ち目がないと戦い自体に意味がないと考えている人がいたこと、天皇すら、誰もそれを止めることができない時代だったこと・・・・知らなかった事実をたくさん知ることができました。

そしていかに無謀なことをしていたのか、軍の方向性もめちゃくちゃで指揮命令系統が混乱する中で、生きている限り永久に戦えという無茶苦茶な命令・・・
大和魂といえば恰好良いようにも思いますが、特攻作戦、特に人間魚雷の成果を見て、どれだけの人が無駄死にをしたのだろうと思うとやりきれなかったです。

学徒出陣、婦女子の竹やり訓練・・・これで本当に戦争に勝つ気があったのかと疑うものばかり・・・
ポツダム宣言の受諾までの時間・・・二度の原爆投下・・・

決断をもっと早くしていれば、犠牲者はもっと少なく済んだのではないでしょうか。

嘘みたいですが、本当にあった歴史。
もっときちんと知っておかないといけないと感じました。

読んで損はしない本だと思います。興味深く読みました。
(4.5点)