宮下奈都さんの本です。
「スコーレNo.4」がデビュー作のような気がしていましたが、本作がデビュー作とな!
とても好みの作品でした。
足の不自由な主人公がひょんなきっかけで出会った、たい焼き屋さんでたい焼きを焼く女性。
仲を深めていく中で不幸な事故が起こるも、物語は続いていく。
死ぬわけではない。けれど二人の思い出が蓄積されていかない時間のなんと切ない事でしょう。
この手の話だと泣きの展開になるか、悲観的な展開になるかといったところかと思いますが、前向き過ぎず、後ろ向き過ぎず、何気なく毎日を過ごしていく二人の時間がこの上なく愛おしく感じました。
たい焼きがとにかく美味しそうで仕方ありませんでした。
この雰囲気とても好きですね。
(4.5点)