No-music.No-life

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ぼくは明日、昨日のきみとデートする

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京都の美大に通うぼくが一目惚れした女の子。
高嶺の花に見えた彼女に意を決して声をかけ、交際にこぎつけた。
気配り上手でさびしがりやな彼女には、ぼくが想像もできなかった大きな秘密が隠されていて──。

七月隆文さんの本です。

先日読んだ「コーヒーが~」では、書店の絶賛や映画化で期待を高めすぎてあまり楽しめなかったので、この本も前々から気になっていたものの、あまり期待しないように読もうと読み始めたのでした。

が、こちらは思いがけず良作に出会えたな、という感想。

カスヤナガトさんの可愛いイラスト、いかにも泣けそうな意味深なタイトル、書店でも話題・・・・大抵期待をし過ぎてがっかりすることのほうが多い私でしたが・・・
これはなかなか面白いと思いましたよ。

タイムトラベルものやパラレルワールドなど、SF展開の話はもともと好きなのですが、彼女の秘密が一体何なのかというのがずっと気になっていたのですよね。

本作を読んでやっと秘密が明らかになった訳ですが、SFが好きな人にもうむむと唸らされる設定。
最初の幸せの絶頂から、秘密が明らかになっていくにつれて切なさを増していく恋愛展開も読んでいて切なくなりますし、彼女とぼくの時間軸を改めて辿ってみると・・・一つ一つのセリフや彼女の何気ない行動にはっとして・・・なんと切ない恋物語なのかと思わされました。

何より素敵だったのが、彼女が超絶可愛いキャラクターだったこと。
しかも小説や漫画にありがちなで過剰な設定で可愛くしているのではなく、見た目も性格も自然に可愛いから好感しかありませんでした。

だからこそ、この運命の相手との恋の結末が切なかった・・・。

映画の予告はそんなに面白そうではないなと思っていたのですが、機会があったらそちらも見てみたいなと思いました。
小説版、良作です。
(4点)