吉之助にようやく下った赦免。しかし時代は急変、不在の間にふるさと薩摩はイギリスの砲撃を受け、国内には不穏な空気が立ち込めていた。荒ぶる長州は一気に挙兵し、幕府軍と蛤御門ではげしい戦闘を繰り広げる。吉之助は幕府側に立ち、生まれついての大将としての才能を開花させる。戦いに勝利、長州征伐を企図し勝海舟と面会した吉之助だったが、勝の提案が彼を変えようとしていた。維新に名を残す男らと議論をかさねた吉之助は、無血開城を断行する。一方、盟友・大久保一蔵は、新しい国家の設計図を作りだしていた。幼い頃から常に共にいた吉之助と一蔵。二人に別の道を歩む時が訪れたのか―。
林真理子さんの本です。
という訳で下巻。
いやこれは、、ドラマを見る前に何も知識のない真っさらなところから原作本を読んでみたかった！と実感した下巻でした。
西郷は老若男女に慕われ好かれる男ですが、何よりも民のことを考え、優しい心根を持った青年だったはず。
本人が田舎に引っ込んで畑仕事にいそしみたいと望んだところで、これだけの人脈や信頼を築いてきた男が表舞台から簡単に訳はないのですね・・・
だからこそ戦の先頭に立たざるを得ず、西郷も周りからの期待に応えてしまう。そしてその働きぶり、リーダーシップは更に人々がついていきたいと思うには十分で。
それがある意味で「悲劇」にしか思えず、西郷の最後は何とも切なく、読み終えた後もしばし茫然としてしまいました。
西郷隆盛ほど有名な人物なのに、今回初めて知った歴史の出来事がたくさんあり、恥ずかしいくらい何も知らないことに気づかされました。
前後編に分かれてはいるものの、西郷の人生はこのページ数では語れないでしょう。
機会があったら色々な文献なども読んでみたいと思います。
（4点）
