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明日の子供たち

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三田村慎平・やる気は人一倍の新任職員。和泉和恵・愛想はないが涙もろい3年目。猪俣吉行・理論派の熱血ベテラン。谷村奏子・聞き分けのよい“問題のない子供”16歳。平田久志・大人より大人びている17歳。想いがつらなり響く時、昨日と違う明日が待っている!

有川浩さんの本です。
 
何だかとても久しぶりの有川さんでした。
図書館でも人気が高く、予約数が凄いので読まなくなっちゃったんですよね。
 
この作品は前から話題になっていたので気になっていて、単行本でかなりのボリュームでしたが読んでみました。
 
結果、読んで良かったと素直に思える作品でした。
 
今まで読んできたイメージで結構言葉に独特な言い回しや癖がある印象の有川さんでしたが、こんなに読みやすい文章を書く人だったかなあと思ったり。
 
児童養護施設というなかなかデリケートな題材を扱いながらも、職員や養護施設の子供達の描き方も凄く丁寧で、理想と現実、子供達の想いや職員の考え方など、びっくりしたり、感心したりと色々な事を思わせてくれる作品でした。
 
特に施設の子=かわいそうな子、というイメージはあまりに強くて、恥ずかしながら私もそう思っていました。
小説を読みまくっていると、施設出身者はかわいそうな子として書かれる事も多いし、虐待などを扱った作品が驚く程多いせいもあるかもしれません。
 
なので、実の親から離れて施設に入れたことで、初めて真っ当な生活が送れるようになったという子供も存在するのだ、という事実には目から鱗
自分の無知さ、勝手に持っているイメージが恥ずかしいなと痛感するばかりでした。
 
こういう本こそ本当に沢山の方に読んでもらいたいですね。
良い本でした。
(4.5点)