はるか遠方を見通せる夢見の力を失い、故郷に帰されてしまった落ちこぼれの巫女・ソニン。〈沙維の国〉の末王子・イウォルの侍女となった彼女は、隣国〈江南〉への留学に同行することに。イウォルを招いたのは、華やかな容姿と大胆な行動で民の人気を集める王子・クワン。しかし、〈江南〉の王宮には不穏な影が差し、クワンの真意は謎に包まれていた……。
菅野雪虫さんの「天山の巫女」シリーズ第二弾。
第一弾で意味深にソニンに絡んだあの青年、クワン王子の話です。
紅南の国の王子でありながら、反勢力派の王妃よりあの手この手で無茶な仕事を振られながらも、着実に成果を出し、民の信頼を集めています。
そんな王子が大事にしているのは、城の中でひっそりと生活している妹のこと。
クワン王子の招待で紅南を訪れたイウォル王子とソニンですが、クワン王子に心酔するイウォル王子とは裏腹に、警戒を強めるソニン。
そしてやはり、ソニンは王子の企てに巻き込まれていきます。
クワン王子の見目麗しい見た目もさることながら、豪快で人望の厚い様はまさに王の器。
派閥や妨害する力もあったり、本人も王になりたいと思っている訳ではないところなど、
これからどうなっていくのか楽しみな感じでした。
(4点)