No-music.No-life

ヤフーblogから移行しました。

アイネクライネナハトムジーク

イメージ 1
 
 
妻に出て行かれたサラリーマン、声しか知らない相手に恋する美容師、元いじめっ子と再会してしまったOL……。人生は、いつも楽しいことばかりじゃない。でも、運転免許センターで、リビングで、駐輪場で、奇跡は起こる。情けなくも愛おしい登場人物たちが仕掛ける、不器用な駆け引きの数々。明日がきっと楽しくなる、魔法のような連作短編集。

伊坂幸太郎さんの本です。
 
先日文庫化されているのを見て、あーこれはまだ読んでいないなあと思っていた本だったのですが、ハードカバー版が図書館の書架にあったので借りる事に。
 
先日の殺し屋シリーズの最新刊も思いがけず泣くほどの素晴らしい作品でしたが、今回も伊坂さんの良さが十二分に詰まった作品でした。
 
斉藤さんという人物や、歌詞がちらほら出てくるので、斉藤和義関連の作品だったりするのかしら、と思っていたら、元々そうだったようです。
そこから書き下ろしなどを含めて一冊の本にしたものだそうで。
 
初期の伊坂さんというか、「チルドレン」とかが好きな人にはかなり好みかと思います。
 
特殊な職業の人が出てきたりとか殺し殺されという展開は全くないので、安心して読めるのもありますし。
 
作品間のリンク、たび重なる素敵な偶然、あの話とあの話がここで繋がり、あの人物とあの人物がこう繋がって・・・という楽しさを久々に味わいながら読む事ができました。
 
伊坂さんの描く女性キャラがとても好みなのもあるし、やっぱり今回も偉そうなことを言っている口ばかりだけど愛すべきキャラクターが出てきたりと微笑ましいです。
 
ちょっと元気がないかも、という時に最適な本ですね。
伊坂さんはやっぱりこの路線がいいなあ。個人的にはですけれど。
 
「彼女が誰の娘さんか知っていてそんな事を言っているんですか?」作戦は私も試してみたいです(笑)
 
楽しく読めました!
(4.5点)