「どや、ガンズ・アンド・ローゼス、ええやろ?」ガクの熱意におしまくられて、4人のバンドの練習がはじまった―14歳、それぞれの音がはじけてひびく。
『ミカ!』の著者、伊藤たかみさんの本です。
本屋で平積みされていたので、すぐに目に留まりました。
しかもぎぶそん・・?ギブソン!
帯を見ると・・・バンドの話じゃん!
それに伊藤たかみさんの本だ!
これは買うしかないでしょ。
という訳で購入し、今日一気に読みました。
一言言うと・・・
凄く良かった。
良かったじゃ感想になってないかもしれませんけど・・
14歳っていう大人でもない、子供でもない・・中学2年生の心境をうまく表しているんです。
ガク(ギター&ボーカル)・かける(ギター)・まろ(ベース)・リリイ(ドラム)の四人の気持ちの揺れなんかも繊細に表しているし、バンド結成から(ギター担当のかけるをメンバーに入れるところから物語は始まる)メンバー内のいざこざ(誰かに嫉妬したり、面白くない気持ちになったりだとか)、そしてガクとリリイの淡い恋。
文化祭での発表に向けて練習をしていくものの・・・個人のレベルが上がっていくだけで「バンド」としての音が全然進歩しないという焦り。
ガクとリリイはお互いに相手を意識しながらも、はっきりしないお互いの態度にもやもやして。
かけるとまろがなかなか仲良くなれない事。
色々な事が複雑に絡まりあっていきます。
でも、ある時「バンド」としての欠点に気付いていく。
するとみるみるうちに一つの音になっていって・・・
そして、文化祭当日。
バンドを始めようとしている私からすれば、ドキドキが止まらない感じですね。
色々な楽器の名前や専門用語が出てくるので、全然分からないっていうところもありましたが・・・(勉強不足)
それと、ガクの語りとリリイの語りで物語が展開されていくので、お互いの想いを感じることが出来てとても爽やかな読み心地。
「あんなー、そんなー、おれ、ちょこっとだけリリイが好きやねんな」
ガクがそんな風にリリイに想いを打ち明けます。
リリイは動揺します。
「あした死ぬかもしれんから、早いうちに言うとこ思って。
バンドマンやもん、あしたのことはわからん。」
なんやねんそれ、と思いつつ思わず微笑んでしまう言葉。
『バンドマン』っていうのは、何だか特別な響きだな。
リリイが思う言葉で
「だれかのことを好きになるってことは、つまり、質問がたくさんふえるってことなんだなあ。
幼稚園児みたいにふえる。
なにが好き? なにがきらい? なにを食べた? なにを見た?
そしてやっぱり幼稚園児みたいに、質問の答をいちいち指でさわってみたくなるんだよ。
それは優しい答なのか、きびしい答なのか、温かい答か、冷たい答かって」
妙に納得。
あ~やっぱり学生の頃からバンドをやっていたかったなあ・・・
と、ちょっと後悔した私なのでした。
読みやすいので、ぜひ☆