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ブックのいた街

「ねぇ、聞いてよ。ブック」―住人たちはそっと秘密を打ち明ける。恋と夢に破れ故郷に戻った日本画家、初恋の人と結婚したのに寂しそうな奥さん、手の届かない素敵なひとに思いを寄せる少年、愛犬を亡くし笑顔が消えた一家、女運がない優しすぎるパン屋の元店主、占いができなくなってしまった占い師…ラブリ商店街の人々の相談相手は、アイリッシュセッターのブック。どこから来たのか、誰が名前を付けたのか、知る者はいない。でもなぜか、ブックの前だと素直になれた―“

関口尚さんの本です。
 
かなり久々に関口さんの本を読んだなあ。。。
 
そのせいか、物凄く読みやすくなっているように感じたのは気のせいでしょうか。
 
表紙から小さい男の子と犬の話?と思ったのですが、少しばかり趣が異なっていて。
商店街に住む野良犬の「ブック」を軸にして、様々な人物の視点から展開していく物語。
 
大型犬が放し飼いにされている、っていう時点でえー!ありえない!と思うのですが、このブックのなんと賢くて美しいこと。
 
そして何故ブックがこの商店街で放し飼いになっているのか、そのルーツが分かる最後の飼い主の男の子との話は涙が出そうになるくらい切ないです。
 
動物が得意ではない私にもすんなりと入ってくる優しい物語でした。
(4点)