家族の幸せを守るべく、新米騎士(ナイト)・鶴峯裕が右往左往しながら奮闘中。
ママ友の不倫疑惑、熾烈な保活、過酷なお受験、驚愕のお誕生会、そして――。保育園に通う一男一女を抱える鶴峯家は、子育てにまつわる数々の試練を乗り越えられるのか!? 直木賞作家・辻村深月が贈る、子育て世代への高らかなエール!
ママ友の不倫疑惑、熾烈な保活、過酷なお受験、驚愕のお誕生会、そして――。保育園に通う一男一女を抱える鶴峯家は、子育てにまつわる数々の試練を乗り越えられるのか!? 直木賞作家・辻村深月が贈る、子育て世代への高らかなエール!
辻村深月さんの本です。
出産も、育児も、結婚経験もない。
そんな私にはとても敷居が高い題材でした。
全くの予備知識もなく読み始めたのは正解だったかもしれません。
おおざっぱに言ってしまうと、「育児にまつわる(幼児を抱える)親の話」です。
それを知っていたらきっと勝手な先入観で敬遠してしまったかもしれないし、楽しめないかもと思いながら読むなんて勿体ない。
救われたのが、この本の軸となる夫婦の関係と子供を思う気持ちがわざとらしくなく、すんなりと好感を持てたこと。
育児に積極的な「イクメン」パパと、子供も夫も大事にしつつ自分の仕事にも奮闘するママ。
共働きの割にあまり大変そうじゃないなあ・・・という印象は置いておいて(笑)
「ママ友」との関係、「保活」、「「お受験」問題などなど、こんな大変で不安なことだらけなんて・・・とぞっとするものの、それでも子育てで得るものの大きさを教えられたような気持ちで読めました。
きっと自分が子供を持つ時が(くるならば)きて、同じような問題に直面したときに読んだら、もっともっと感情移入して読めるんだろうなと思うし、その時はぜひ再読したいなと思いました。
出産、子育てを経験してからの辻村さんの筆が柔らかく(別の意味で・・・内容的に棘が減ったというか)なった印象ですが、最後の章ではやはり辻村さんというくらいエグイ描写も健在なので、昔からのファンの方にもぜひ読んでいただきたいと思います(笑)
(4点)