No-music.No-life

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しょぱい夕陽

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酸いも甘いも知っているのが40代。けれど、自分のことはおぼつかないものである……。妻に浮気されていた男。息子のサッカーチームのママ友になじめない女。駄じゃれがやめられない離婚された男に、落語家に妄想恋愛する女。そして勘違いで幸せな教師男。いくつになっても迷える大人たちのほろ苦い、けれど甘酸っぱい5つの奮闘。まだまだこれから何かができる。そう思わされる心に優しい短編集。

神田茜さんの本です。
 
久々の神田さん。
やっぱりこの方、上手いです。
 
48歳、遠い未来と思っていたのに、10代のころを思い出すより、こっちの方が近い将来だった・・・
 
「バナナの印」が特に良かったです。
離婚して離れ離れになった娘を思い、編み物を編む父親。
娘の誕生日すら忘れているダメ父なのに、娘を遠くから思う愛情は本物だと何だか思えてほろりとしてしまいました。
 
自分も、気付けば30代の半ばが近い。
気持ちはまだ若いつもり、中学高校の頃の記憶もちゃんと残っているのに、確実に取れない疲労感。老いを感じる体・・・・
 
物語の主人公たちは50歳目前の人達だけど、何だか私もこの主人公達に感情移入してしまいました。
 
それでも神田さん、ちゃんと光の道筋をつけてくれて物語は終わるので安心して読めます。
他の作品ももっと読んでみたいな。
(4点)