No-music.No-life

ヤフーblogから移行しました。

烏は主を選ばない

イメージ 1
 
 
八咫烏が支配する世界山内では次の統治者金烏となる日嗣の御子の座をめぐり、東西南北の四家の大貴族と后候補の姫たちをも巻き込んだ権力争いが繰り広げられていた。賢い兄宮を差し置いて世継ぎの座に就いたうつけの若宮に、強引に朝廷に引っ張り込まれたぼんくら少年雪哉は陰謀、暗殺者のうごめく朝廷を果たして生き延びられるのか……?


阿部智里さんの本です。

 
八咫烏」シリーズ第二弾。
第一弾を読んでそこまで時間は経っていないはずだったのに、読み始めはなかなかその感覚を思い出せなくて最初は読むスピードが遅かったのですが、「あ!あそこで出てきた人か!」と1作目とのリンクに気付いた瞬間から、急激に読むスピードが上がり、面白くなっていきました。
 
第二弾ではありますが、第一弾ではほとんど登場しない若宮側の視点から描いた物語になっています。
解説を読むと、元々は第一弾の話と第二弾の話を交互に入れて一つの話として構想していたらしいのですが、、、凄いですね。大物新人・・・!
 
第一弾では姫君達のライバル争いとお家争いが中心だったので、若宮はほとんど登場しないし、最後の最後に探偵役としていいところをかっさらってのラストだったので、え?!何なのこの人?!という唐突感があったんですよね。
世界感とか、美女揃いの姫君達と自分好みだったのでとても楽しく読んでいたんですけど、姫君を放っておいて一体何をしていたんですか、若君!という疑問をこの2作目で明らかにしてくれたという点で、更にこのシリーズを楽しめました。
 
うつけと周りから言われながら、実は裏の裏まで見据えて行動している若君。
ぼんくらに見せながらも実はそうではない雪哉。
最高のコンビと思わせて、また驚きの真実も明かされ・・・
 
この世界感、ミステリとしても楽しめるあっと驚く真相、個性豊かで微笑ましいキャラクター。
まだまだ物語は始まったばかり。
姫君を選んだ後、その後の話もまだまだ続いている様子。
 
このシリーズ、全巻揃えて一気に読みたいですね。
面白かったです!
(4.5点)