No-music.No-life

ヤフーblogから移行しました。

最悪のはじまりは、

イメージ 1
 
 
人生に挫折し、パチンコに入り浸る資格試験浪人の聡は、行き付けのホールで、ギャンブル依存症のサラリーマン、借金漬けの妖艶な人妻と知り合いになる。やがて聡は、懇意になった二人から大胆かつ周到な現金強奪計画を持ち掛けられる。一人暮らしの資産家老女を狙ったシンプルな計画―だが、押し入った資産家宅で聡を待ち受けていたのは、予想もしない驚愕の事態だった。転がり堕ちる彼らの運命は…。

塔山郁さんの本です。
 
塔山さんの作品は久々に読みますが、文章が読みやすいので結構自分好みです。
 
で、この話・・・
 
人は死にますが、そういった意味での不幸感ではなくて・・・ギャンブル依存症の末路という意味で救いがなくて読んでいて何も得るものがなかった感じでした。
 
いや本が悪いというより、もうこのギャンブラー達のどうしようもなさ、自業自得感が何とも言えない嫌な気持ちになりましたね。。
 
パチンコではないですが、自分も父親がギャンブラーで家庭崩壊したり何度も裏切られてきた口なので、天野の元妻の話がリアルで辛かったです。
 
子供の養育費でお金は喉から手が出るほどほしい。でもお金じゃない・・・あの切実さはもうリアルだったなあ。。。
 
30歳でギャンブル依存症になっている主人公も、自分は大丈夫だと根拠のない自信でどんどん深みにはまっていってしまい、救いがない。。
せめて天野の元妻がくれたもので更生の道に進んでほしいと祈るばかりでした。
 
久々にどんよりした読後感。
そしてギャンブラーの母の下に生まれてしまった子供がまた切なかったなあ。。
(3.5点)