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おい!山田

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「おい山田、お前今日からゆるキャラな」
大翔製菓・広報宣伝部に異動した山田助(やまだ・たすく)は、そのままのサラリーマン姿でゆるキャラとなり、新製品「ガリチョコバー」のPRをすることに!
「わかりました。私が山田さんをプロデュースします。打合せしましょう」
同僚の水嶋里美(みずしま・さとみ)は突然立ち上がったプロジェクトに戸惑いつつも、持ち前の負けん気の強さで引き受けた。果たして山田の運命やいかに?

安藤祐介さんの本です。
 
安藤さん、ドラマ化された「被取締役新入社員」がなかなか面白かったので、その後本は出していないのかしら―と思っていたら、近くの図書館に沢山揃っているのを発見し、また読みたいなあと思っていたのでした。
 
タイトルのインパクトから手に取ってみたのですが、、
あーなんか、良いですねえ。こういう会社で働けたら。と思うような働く人々の話でした。
 
主人公の山田君が、常にフルスイング、迷うより動け、的な行動力のある男子で、突然会社から「ゆるキャラ」に指名されるという無茶ぶりにも前向きに取り組んで行こうとします。
 
そんなゆるキャラ山田をプロデュースするよう任命されたのが水嶋。
自分が本来やりたい仕事ではないが、真面目にコツコツタイプの仕事をする女子。
 
最初は山田君の考え方や考えなしの行動に反発したり苛々してばかりだった水嶋。
しかしヒット商品を目指して満を持して発売した新発売のチョコが、ゆるキャラ山田をキャラクターとして売ったせいなのか、大失敗し・・・
そこから若手社員が集結し、大逆転を計るべく奮闘しはじめていきます。
 
水嶋に対して淡い恋心を抱く山田君と、それに気付かないふりの水嶋。
 
二人は全く違うタイプながらも、仕事に対して取り組む姿勢は前向きそのもの。
 
最初は山田君に対して冷たかった社員達も、新商品開発プロジェクトに動き出すにつれ、一つになっていく!

山田君の生きざまがなんか、、とても格好良かったです。
 
仕事のこと、人間関係、自分の運命ですら「縁」と考えてその縁を大事にしようと全力で取り組む姿勢。
会社からのパワハラレベルの無茶な要望(ゆるキャラになれっていう)に対しても、自分が与えられた仕事なのだから、と捨て鉢にならないところ。
仕事やその他のことはフルスイングで行けるのに、こと恋愛のことになると臆病になるところ。
 
最後の最後、淡い恋心の行方が描かれて微笑ましいです。
 
上層部以外の人達が、皆めちゃいい味を出してる!
こんな会社で働けたら楽しいだろうなあ、うらやましいなあと思いながら読みました。
 
安藤さん、変化球を投げてくる作風ですが、今回もなかなか楽しませてもらいました。
 
結構本を出されているっぽいので、他の作品も読んでみたいです。
 
しかしこのタイトルはちょっと損をしてしまっているかもしれませんね。
文庫は少しタイトルが変わっていましたが・・・
 
ハードカバー版の表紙の方は、公募で選ばれた山田さんらしいです。
まさに山田君のイメージぴったりです(笑)
(4点)