中学の屋上から飛び降りる寸前、私は「小人の巣」というサイトを教えられた。
そこでは、シャーマンと名乗る人物が安楽死の方法を伝授してくれるらしい。いったい誰が、何のために?
教室で虐げられていた私は、シャーマンの提示する条件を満たし、指定された病室を訪ねる。だがそこには……。
そこでは、シャーマンと名乗る人物が安楽死の方法を伝授してくれるらしい。いったい誰が、何のために?
教室で虐げられていた私は、シャーマンの提示する条件を満たし、指定された病室を訪ねる。だがそこには……。
白河三兎さんの本です。
なんというか、身につまされるような話だったなあ・・・
いじめ、就職活動が上手くいかない、恋人の気持ちをこちらに向けたい・・・人はそれぞれ、色々な理由で死を選ぼうとする。
私は別に積極的に死にたいとも思っていないけれど、消えてもいいかもしれないと思う事はよくある。
もし目の前にこれを飲めば苦しまずに楽に死ねますよ、という薬でも出されたら、本気で飲む事を考えてしまうかも、というレベルには、生きることへの執着はないかもしれない。
これから生きていく中で、今以上に幸せになれるなんてことはないのではないか、と思っていたりするから。
しかしこの話、いじめを苦に自殺を図ろうとした女の子が、生きたくても長く生きる事はできない少女と出会うことで、自殺をしようとする人を止めようと動き始めるところが凄くいいと思う。
少女とその父親との関係とか、ちょっとなくても良かったかも?という設定はあるものの、生きること、生きたくても生きられない人がいるということ、そういった色々な事を考えさせてくれる話だった。
若干読みにくさはある作家さんですけど、個人的に嫌いではないです。
(4点)