No-music.No-life

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今はちょっと、ついてないだけ

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かつて、世界の秘境を旅するテレビ番組で一躍脚光を浴びた、「ネイチャリング・フォトグラファー」の立花浩樹。バブル崩壊で全てを失ってから15年、事務所の社長に負わされた借金を返すためだけに生きてきた。必死に完済し、気付けば四十代。夢も恋人もなく、母親の家からパチンコに通う日々。ある日、母親の友人・静枝に写真を撮ってほしいと頼まれた立花は、ずっと忘れていたカメラを構える喜びを思い出す。もう一度やり直そうと上京して住み始めたシェアハウスには、同じように人生に敗れた者たちが集まり…。

伊吹有喜さんの本です。
 
いやーやっぱり伊吹さんの物語っていい。
優しい気持ちになれます。
 
厄年の事はとにかくいいことがない。それどころか辛いことばかりが続く。
そんな私を応援してくれるかのようなこのタイトル。
図書館で見つけて手に取ってみました。
 
40代の「ネイチャリング・フォトグラファー」なるお洒落な過去を持つ男性が主人公。
 
男性が語り手の時は容姿が描写されていないので冴えない中年男なのかと思いきや、別の人物が主人公になって第三者の目から見ると、なんと40代だけど格好良い感じの人でした。
 
そのせいかべたべたしていない感じですっと入ってきて、その後に続く中年男性達の頑張りも何だか応援したくなりました。
 
40代にもなって、と思いつつ、一度成功した過去は過去として、新たに新しいことを始めようと前向きになっていく中年達が何だか頼もしく感じられ、なにより格好良い!
 
私まで一緒にワクワクした気持ちになって、最後には何だか元気をもらったような感覚が残りました。
(4.5点)