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僕は小説が書けない

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生まれながらになぜか不幸を引き寄せてしまう光太郎。引っ込み思案で心を開くことができず、親しい友人もいない。血のつながりのない父親との関係をはじめ、家族との距離感にも悩んでいる。高校に入学した光太郎は、先輩・七瀬の勧誘により廃部寸前の文芸部に入ることに。実は光太郎は中学生のとき、小説を書こうとして途中で挫折した経験があった。個性的な先輩たちや強烈な個性のOBふたりに振り回されながら、光太郎は自分自身の物語を探しはじめる。

中村航さんと中田永一さんの本です。
 
最近作家同士のコラボ的作品が多かったりしますが、小路幸也さんと宮下奈都さんの「つむじダブル」みたいに、やはりどちらかの作家の色が強い作品になったりするもんなんでしょうかね。
 
暗い主人公は中田さん、物語の展開的にはやっぱり中村さんっぽい印象。
ただどっちがどっちを担当しているかは分からなかったかなあ。
 
作品的には、前半がとにかく冗長。
主人公の根暗ネガティブ、小説が書けないということでうだうだ悩んでいるのがとにかく長い。
前半をカットしても物語に支障はないのではないかというくらいで、途中で挫折しそうになりました。
 
ただ、文芸部のキャラクター(元神童の先輩)が濃くてインパクトがあるので、登場してくるあたりからようやくゆっくりと物語が動き出す感じでしょうか。
話的には高校生活を普通に書いている感じの話であって話ではないような感じではありますが、中盤くらいからは普通に読めます。
 
ただ、中村さんも中田さんも好きな作家だけに、ちょっとばかし物足りない感じだったことは否めません。
(3.5点)