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匿名者のためのスピカ

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「高校生のとき恋人に監禁されたことがあるの――」 法科大学院生の笠井修吾は同級生の館林景織子(きょうこ)に、衝撃の過去を告白される。いまでもその彼らしき人物から執拗なメールが届くと怯える景織子を修吾は守ると誓った。交際を始めた二人だったが幸せな日々は突然終わりを告げる。元彼の高橋が景織子の弟に暴行を働き、彼女を連れ去ったのだ。だが実は、景織子は自ら高橋の車に乗り込んでいた。なぜ彼女はストーカーまがいの男と行動をともにするのか? 彼女の真意とは? 東京から日本最南端の島・波照間島へ、修吾は彼らを追うが……。

島本理生さんの本です。
 
相変わらずどうしようもない男ばかり出てくる最近の島本さんの作品。
今回も恋人を監禁する男が出てきたりとげんなりしそうになりましたが、久々にまともな笠井君が出てきたので読み進めることができました。
 
島本さんは基本的に文章が上手いし読みやすいのですが、若干会話のやりとりが真面目というか固いなと思うところはありますね。
今回は法科大学院生ということもあるので余計かもしれませんが。
 
イケメンなのに女の子と付き合った事がなく、真面目だけど面白味に欠けると女子から評価されている笠井が、影のある館林と付き合うことによって、館林の過去に絡む事件に巻き込まれていく。
 
事件というほどの事件ではないかもですが、まあ恋愛サスペンス・・・なんでしょう。
 
ちょっとラストが納得いかないというか、あまりに笠井君が不憫だったのと、館林が面倒くさい女以外の何物でもなくて好きになれなかったのとでもやもや。
 
個人的には笠井君は好きですが、最近の島本さんの作品はこういういい人そうな人が実は悪い奴だった、というのばっかりだったので、ドキドキしながら読んでいました。(最後までいい人でしたが)
 
(4点)