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火花

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お笑い芸人二人。奇想の天才である一方で人間味溢れる神谷、彼を師と慕う後輩徳永。笑いの真髄について議論しながら、それぞれの道を歩んでいる。神谷は徳永に「俺の伝記を書け」と命令した。彼らの人生はどう変転していくのか。

話題のピース・又吉直樹さんの芥川賞受賞作です。
 
私、ピースは好きでも嫌いでもないです。相方は苦手ですが、又吉さんのことはあまり知らないし興味もないレベルでした。
 
購入して読む事もまずないし、図書館で借りるにもこれだけ話題になっていたらいつになることやら・・・
そんな矢先、会社で購入して持っているという方からお借りすることができました。
 
短的にいうと、「家に帰ってまで読もうと思うほど自分には魅力がよく分からなかった」というところでしょうか。
 
駄作ではないです。
芸人が書いたというフィルターがもしなかったとしても、新人作家として無名な人の作品だと言われれば十分に書けていると思うし、読ませてくれる要素は結構ありました。
 
ただ、好みか好みではないか?と言われたら「好みではなかった」と、それしか言いようがないかもしれません。
 
某イケメンと言われる俳優が賞を取った小説を読んだ時は、もうぼろくそに酷評してますけれども、あれは論外。
又吉さんは相当本を読まれている方で、且つ文学作品を愛されているのでしょう、文学だと思いますよ。
文学を感じない、と言っていた大御所の方もいましたけれど。
 
多分・・・
私はそれなりに沢山の数の本を読んではいるけれど、文豪が書いた小説、いわゆる文学っていうものがとても苦手なんですよ。堅苦しいと思うし、いまいち入って行けない。
そんな中途半端な本好きで、読む作品のジャンルも結構偏っているような中途半端な本好きの私でも、結構読むのに苦戦したほど、文学していたと思います。
 
文学が好きな人、もとい読書メーターのユーザーさん達から高評価なのもうなずけます。
多分、つまらないと言う人は自分みたいに「合わなかった」と思う人か、本当に又吉さんのファンで本なんてほとんど読まないタイプの人か、ファンでもないけど何となく読んでみて全然分からなかった、という人のどれかなんじゃなかろうかと。
 
某イケメン俳優のレビューと比べると、評価自体は3点(又吉さん)と2.5点(某俳優)なんですが、その内訳が1から5まで本当に様々で、本好きの人にもそうでない人にも、お笑い好きの人もそうでない人にも、多分色々な人が読んだ上で評価された3.5点な訳ですよ。
 
これは好みの問題なんだと。
作品としては本当に薄いな、すぐ読み終わるなと思ったのに、文字数びっしりで一体何週間かけて読んだんだろう・・・。
通勤途中や昼休みにちょこちょこ読み進めていて、でも家で読もうと思うほど魅力は感じなくて、そして読了。
 
神谷さん、死んでしまっても良かったのかも・・・と思ったのは私だけでしょうか。
 
物語のクライマックス、神谷さんの笑いに対する生き方に憧れてきた徳永が、神谷さんを受け入れられなくなっていく下り。
過去の事のように、神谷さんは死んだ、みたいな感じだったらもっとしっくり終わったんじゃないかしら。
生きてるのか・・・!しかも何あのラスト!
 
とクライマックスの所あたりで神谷さん痛い、痛すぎるよ、でも何か愛すべきキャラクターなんだよなあと勝手にしんみりしていたので、最後には拍子抜けというか唖然としてしまいました。
 
ただまあ、好みではなかったですが、好きな人は好きだと思う。そんな作品でした。
 
読書メーターの感想が文字数の関係で批判めいた感じになってしまったので、こちらでつらつらと書き連ねてみました。
 
話題作なので読んでみよう、という程度で手にとってしまった本を普段読まない人には、結構苦戦する小説かもしれません。
でも読んでみて損はしないと思うので、興味がある方は読んでみてもいいと思います。
 
(3.5点)