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動物園の鳥

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春の近づくある日、鳥井真一のもとを二人の老人が訪ねてきた。僕らの年上の友人でもある木村栄三郎さんと、その幼馴染みの高田安次朗さんだ。高田さんが働く動物園で、野良猫の虐待事件が頻発しているという。動物園で鳥井が掴んだ真実は、自身がひきこもりとなった出来事とどうつながるのか―。鳥井は外の世界に飛び立てるのか。

坂木司さんの「ひきこもり探偵」シリーズの最終巻。
ずっと読みたかったのですが、ようやく図書館で借りる事ができました。
 
過去のできごとが原因でひきこもりとなってしまった鳥井を支える友人の坂木、という構図のようでいて、実は坂木が鳥井に依存しているというところが今までにないストーリーだと思います。
 
健全なようでいて実は凄く不健全な関係で。
 
ひきこもりの鳥井も少しずつだけれど友人が増えて、少しだけ外出もできるようになってきた幸先の良い滑り出し。
そんなところに、過去のできごとの原因となった人物とひょんなことから再会してしまう。
 
動物園で起こるある事件の解決に近づくにつれ、過去との対峙と鳥井との関係の変化に向き合わなければならない時もやってくる・・・。
 
何でしょうね、不思議な余韻です。
坂木がようやく鳥井の手を離すことができて、巻末のエピソードでその後が描かれていますがほっとしましたね。
 
前二作を読んでから結構時が経ってしまっているので、また機会があったら一気に読みたいかも。
(4点)