箱根でジョギングをしていたはずの小田桐はふと気がつくと、どこだか解らない場所を集団で行進していた。そこは5分のずれで現れた『もう一つの日本』だった。『もう一つの日本』は地下に建設され、人口はたった26万人に激減していたが、民族の誇りを失わず駐留している連合国軍を相手に第二次世界大戦終結後もゲリラ戦を繰り広げていた……。
村上龍さんの本です。
何だかとても久しぶりに村上さんを読んだ気がします。
本を読む時間があまり取れないのもあるのですが、改行が恐ろしく少ない文字びっしりの小説だったので、大変に時間を要しました。
つまらないという訳ではなかったのですが、一気読みは難しい感じですね。
並行して存在する可能性のある世界。SFです。
気付いたらその別の世界にいた男の話。
唐突に終わるラストに、結末を想像しろということなのかともやもやした気持ちを残して読了。
好き嫌いが分かれる作品だと思いますが、不思議な世界感を楽しめる人ならば傑作かもしれません。
私はどちらでもなかったかなあ。
(3.5点)