中学1年生24人のクラスメイトたち、その1人1人を主人公にした24のストーリーで思春期の1年間を描いた連作短編集。前期・後期の全2巻。 うれしい出会いや、ささいなきっかけの仲違い、初めての恋のときめきや、仲間はずれの不安、自意識過剰の恥ずかしさや、通じあった気持ちのあたたかさ。子どもじゃないけど大人でもない、そんな特別な時間の中にいる中学生たちの1年間。だれもが身にしみるリアルさを、シリアスなのに笑えて、コミカルなのにしみじみとしたユーモアでくるんだ作品集。
森絵都さんの「クラスメイツ」後期です。
前期を読んだからこそ、あの時の背景とかこの子とこの子が繋がっているんだ!という発見があって、後期の方が更に楽しめた気がします。
底辺女子だったせいか、やはりクラスからフェードアウトしてしまった女の子の話が一番入ってきたなあ。
特に理由がある訳ではないのに、自分の居場所がないって感じる感覚・・・分かる。
春から冬、そして春の気配を感じる中学2年生への進級前まで。
1年を通してこのクラスを色々な人物の視点から見てきて、担任の先生の器の大きさと良い子達ばっかりなクラスがうらやましくなってしまいました。
森さんの初期作品をまた読み返したくなるような話でしたね。
(4点)