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盲目的な恋と友情

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これが、私の、復讐。私を見下したすべての男と、そして女への――。一人の美しい大学生の女と、その恋人の指揮者の男。そして彼女の親友の女。彼らは親密になるほどに、肥大した自意識に縛られ、嫉妬に狂わされていく。そう、女の美醜は女が決めるから――。


辻村深月さんの本です。
 
いやーもうこの女のドロドロ・・・読みたくない、のに辻村さんはぐいぐい引き込みますよね。本当もういいよー!と思って顔を両手で覆いながらも、指の隙間から見てしまうみたいな。
 
個人的に辻村さんの本のタイトル・・・もうちょっと何とかならんのかな、と昔から思っていたのですが、いやはや、これは読み終えてこれ以外のタイトルはないな、と思うほどはまっていますね。
 
美人で恵まれた家庭に育った蘭花と、劣った容姿のせいで子供の頃から嫌な思いばかりしてきた留利絵。
この二人が大学で出会い、友達になる。
 
蘭花サイドの恋愛を中心にした話と、留利絵サイドの友情を中心にした話で構成されているのだけど、何とも言えない嫌な感じ。
 
恋は盲目、とはよく言うけれど、留利絵は友情ではなく、ある意味でこれも恋なのかなと思いました。
救いがない感じの小説、最近辻村さんは書かれるようになったけど(直木賞ノミネート~受賞あたりからか?)、個人的には初期の方が好きですね。
 
再読はしたくないけど、一気に読ませる力がある作品ではありました。
(4点)