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砂に泳ぐ

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大学卒業後、地元で働いていた紗耶加は、やりがいを見つけられず息苦しい毎日を過ごすなか、思いきって東京に行くことを決心する。新しい職場で気の合う同僚に恵まれ、圭介という優しい男性にも出会うことができた。やがて圭介と半同棲をすることになったが、彼の自分勝手な言動に違和感を抱きはじめる。苦悩する紗耶加を救ってくれたのは、写真を撮ることだった。そして、思いがけない新たな出会いが紗耶加の運命を変えていく―。


飛鳥井千砂さんの本です。
 
ひょんなことから写真を撮るようになった主人公。
何気ない日常を何気なく切り取る、というのは実は簡単なようで難しい気がします。
 
飛鳥井さんの作品にもそれは言えるかも。
何気ない日常を何気なく描く、という感じ。
 
地方から東京に出てくるまでの「地方あるある」が凄く理解でき(制服があるから、車通勤でも制服のまま出勤するとか、人の恋愛話に凄く突っ込んでくるとか・・・)、更に一人暮らしをするための節約(ランチはお弁当とか)とか、本当に日常の凄く細かい部分までそうそう!と思いながら読めたのが面白かったかも。
 
ちゃんと普通の人の生活を分かっている作家と、社会人生活を送った事がない故に凄くリアリティを感じられない小説を書く作家というのがいると思うのですが・・・その点飛鳥井さんは上手いんですよね。
 
話的にはちょっと写真の仕事に携われるくだりはあまりにありえない展開ではあるけれど、それを補う程度の展開はあって、結構嫌いではなかったです。
(4点)