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神林長平トリビュート

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神林長平の影響を受けた新世代作家による傑作アンソロジー。人ならぬ知性体の葛藤を描くシリーズの外伝的短篇―虚淵玄敵は海賊」、子供とだけ言葉を交わす不思議な猫と、大人になりつつある少女の交流を綴る感動作―辻村深月「七胴落とし」、人工死の確立された世界で生と死の境界を思索する―円城塔死して咲く花、実のある夢」など、神林SFを代表する長短篇を独自に解釈し、自由に想像力を広げた全8篇を収録。


辻村深月さんの短編が収録されているというただそれだけで気になっていた本。
 
神林長平って誰ぞや?
何かのキャラクター?というくらい無知な私でした。
 
どういう作風かも知らない、勿論読んだ事もないから、どういう話を書く方なのかの想像もできず、予備知識なしで読みました。
 
まず、SF作品は自分にとって気になる分野なのですが・・・徹底的に苦手!無理!っていう世界感も存在する訳で(主人公の名前が何か読めないような名前とか)。
少々不安になりながらも、胃が主人公(!)の話はなかなか面白く読めました。
 
しかし、辻村さんに至ってはいつもの文体とは明らかに変えて書かれている感じだったので、逆に読みづらいし、いまいち理解できず・・・。
 
その他作品も世界感が難しく、短編のはずなのになかなかページをめくる手が進みませんでした。
 
ただ、「完璧な涙」「我語りて世界あり」は王道な展開とも言える話でありながら、しっかりと世界感に浸れて個人的には結構好きな部類。
 
辻村作品以外では、海猫沢めろんさんの本を読んだ事がありましたが、ダメかも・・・という感じだったので、案の定全然意味が分からず理解できませんでした。
 
ただ・・・この前のこのミスの文庫を読んだ後ということもあるけれど、どの作家からも神林作品に対する愛を物凄く感じました。
これは好みの問題だと思いますが、余計な知識がなく読む分にはなかなか楽しめたと思います。
(3.5点)