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モノクローム

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母さんはなぜ、僕を捨てたの? 答えはきっと、盤の上にある。母子家庭で育ち、幼いときに母に捨てられた少年・慶吾。孤独の中で囲碁に打ち込む慶吾の姿を、写真部の香田のカメラがいつも捕らえていた。香田の屈託ない態度のおかげで徐々に心を開いた慶吾は、それまで避けて通ってきた母の家出の理由と向き合おうとするが……。


乾ルカさんの本です。
 
育児放棄をされ、施設で育った慶吾。
囲碁のプロを目指したが挫折した母。
 
母への想いを捨てきれない慶吾の複雑で、焦がれることも憎みきることもできないところが切ないです。
 
そんな慶吾の気持ちにするりと入ってきて、いつの間にかかけがえのない存在になっている香田の明るさがとても良いですね。
 
割とこういう重めの境遇を持った影を持った少年が凄く好きなのと、香田のキャラクターにも好感がもて、気付けば物語に引き込まれていました。
 
ただ、囲碁の話と重い過去の話がどちらも中途半端になってしまった感じはちょっと勿体ないかな。
それと囲碁のルールをもっと理解していたらもっと楽しめたのではないかと思いました。
 
表紙のイラストがとても綺麗で、慶吾のイメージに合っていました。
(4点)